播種性血管内凝固

摘要

突然，Lilly社がリコンビナント活性化プロティンC (rAPC; Xigris~R)の販売から撤退するニュースが入って きた.Xigris~RはPROWESS studyで重症敗血症の予 後を有意に改善したことから，2001年にFDAで承認さ れた薬剤である。しかし，2008年から開始された PROWESS-SHOCK studyで28日後の生命予後を改善 し得なかつたことから，上記の撤退となったと考えられ る。日本ではXigris~Rは承認されていないものの，この 撤退はアンチトロンビン(AT)ゃリコンビナントトロン ポモジュリン(rTM)の販売戦略にも，大きな影響を 与えることが予想される。逆に，海外での播種性血管内 凝固(DIC)に対するrTMの臨床試験の成績が，さら に一層期待されることとなった。一方，今年の10月に イタリアからDIC診療のガイドラインが公表された。 これで，DICの治療ガイドラインは，ィギリス版と日 本血栓止血学会版を含めて3つとなり，これらのハー モナィゼーシヨンが必要となる。国際血栓止血学会 (ISTH)の科学的標準化委員会(SSC)は，3つのガイ ドラインのハーモナイゼーシヨンを今まさに開始しょう としている。また，日本血栓止血学会は新しいDICの 診断基準の作成を計画している。