潰瘍性大腸炎に合併した直腸癌術後肝転移·局所再発に対し modified-FOLFOXGとFOLFIRIの交代療法(modified-FIREFOX療法)が奏効した1例

摘要

患者は51歳,女性で, 27歳時に潰瘍性大腸炎(ulcerativecolitis :以下, UC)と診断された. 2カ月前から血便を自覚.大腸内視鏡検査で全大腸炎型UCおよび直腸癌を認め,大腸全摘術(D3),回腸人工肛門造設術を施行した.病理組織検査では,中～低分化腺癌,pA, pN1(+), H0, P0,stage IIIであった.術後2カ月後から5-FU/LV療法を3週投与1週休薬で6クール行ったが,術後7カ月目に骨盤内局所再発と肝左葉転移を認めた.modified-FIREFOX療法に変更し, grade 3の消化器症状とgrade 1の末梢神経障害を認めたが.局所再発は消失,肝転移巣は著明に縮小した.肝転移は術後21カ月目に肝左葉外側区域切除を行った.VC合併直腸癌術後再発に対しmodified-FIREFOX療法が奏効した症例を経験したので報告する.