慢性腎炎の早期発見と治療 小児IgA腎症の早期発見·早期治療

摘要

IgA腎症はわが国の小児ではもっとも頻度の高い慢性腎炎であり,その多くが学校検尿で無症候性血尿,蛋白尿として発見される.小児IgA腎症の予後は不良であり,本症の効果的な治療法の確立は重要な課題である.びまん性メサンギウム増殖を示す重症な小児期IgA腎症の治療法として,プレドニゾロン十アザチオブリン十ヘパリン·ワルファリン十ジピリグモールによる早期のカクテル治療は腎炎の進行を阻止し,長期予後も著明に改善する.このように,重症な慢性腎炎でも,早期発見·早期治療により慢性腎不全への進行を阻止することが可能である.