インフルエンザ感染予防とプロバイオテイクス

摘要

毎年,冬になるとインフルエンザが流行し,人びとの健康をおびやかす.とくに高齢者では肺炎を併発し死亡することも多い.本疾病を防御するには生体に備わっている免疫を強化することが重要である.近年注目されているプロバイオテイクス(乳酸桿菌,ビフィズス菌など)のなかに免疫調節作用を有する菌株が存在することが明らかになった.これらのことから,マウスモデル系を用いてプロバイオテイクスのインフルエンザ感染防御作用を検証した,乳酸桿菌中のLactobacillus casei Shirota株を経口投与すると気道の細胞性免疫が増強され,インフルエンザ感染が予防·軽減された.また,ビフィズス菌中のBifidobacterium breve YIT4064株を経口投与すると,血中の抗原特異的抗体産生能が増大し,インフルエンザ感染が防御された.