消化器癌のエビジェネティツクなmicroRNA異常

摘要

microRNA(miRNA)は22塩基程度の短いnon-coding RNAであり,相補的な標的mRNAの3′UTRに結合して翻訳阻害やmRNA分解を誘導することで,標的遺伝子の発現を抑制する.癌細胞ではmiRNA発現プロファイルが大きく変化していることが,多くの研究者により報告されている.さらに癌遺伝子,あるいは癌抑制遺伝子として機能するmiRNAも複数報告されている.代表例として,let-7ファミリーはRASを抑制することで癌抑制遺伝子的に機能しており,肺癌ではIet-7発現の低下がRAS活性化の一因となっている.