Synbioticsの臨床応用Bacterial overgrowth syndromeの究極の治療法になるのか

摘要

乳酸菌やビフィズス菌のように生体に有益な作用を有する生菌をprobioticsとよぶ．生体では吸収されないが生体に有益な細菌によって発酵され，これを選択的に増殖させる食物添加物をprebioticsとよぶ．またpro-bioticsとprebioticsを併用ヒたものをsynbioticsとよぶ． Probioticsは実験動物の大腸内で抗菌倒乳杭炎症作用あるいは過剰増殖した腸内細菌が血液内に移動するのを抑える作用などを有することが証明されている．臨床において有効性を示す証拠はまだ少ないが，院内感染による下痢発症を予防する効果，あるいは極低出生体重児における壊死性腸炎の発症率を下げる効果などが報告されている．著者らは5例の短腸症候群および3例の機能的腸閉塞症例にsynbioticsを投与し，腹満などの自覚症状および腹部単純X線写真上の腸管の拡張を改善させることを認めた．臨床効果を証明するには症例の集積と前方視的なcontrolstudyが必要である．