PD-1欠損マウスに発症する拡張型心筋症は,心筋型トロポニンⅠに対する自己抗体臣の異常産生が原因である

摘要

拡張型心筋症は心筋収縮力の減弱と心室の拡張を伴う原因不明の難病であり,脳死者からの心臓移植以外に根治的治療法はない.日本全国で約18,000人の患者が報告されており,10年生存率は約20%ときわめて低い.これまでに自己免疫をはじめ,ウイルス感染,代謝性,虚血性など,さまざまな原因が考えられているが,自己免疫の関与は血清中に心筋蛋白質に対する自己抗体が検出ざれるという状況記拠以外に根拠はなかった.