免疫調節(バランス)とプロパイオテイクス

摘要

乳酸桿菌シt=タ株(LcS)は古くより食品加工などに利用される一方,科学的にもヒトおよび動物においてさまざまな作用を発揮することが実証されているプロパイオテイクスのひとつである.LcSの経口摂取はヒト表在性膀胱癌の再発リスクを低減させるtマウスにおいては顕著な抗腫瘍効果を発揮し,アレルギーモデルでは牌細胞のTh1/Th2バランスを調節することでIgE産生を抑制する.マウス発癌モデルでは発癌剤による免疫低下を回復させ.またNK活性の増強を介してその発生率を遅延·低減させる.経口摂取されたLcSは腸管のpeyer板(PP)のM細胞に取り込まれ,その後PPのマクロファージや樹状細胞により処理される.LcS菌体はマクロファージのtoLL-like receptor2(TLR2)により認識され,一連の免疫反応が惹起される.本稿ではプロパイオテイクスとしてのLcSがもつさまざまな効果と免疫調節作用について紹介したい.