L-DOPAによる薬剤性誘発性の精神症状に対しクエチアピンフマル酸塩の単剤投与が有効であつた血液透術の1症侧

摘要

症例は77歳，女性.透析治療中にリハビリ目的にて入院.入院直後より昼夜逆転，不眠， 独語などの精神症状が生じた.パ—キンソン病との診断のもと，L-DOPA製剤が500mg/ 日投与されていた.症状がパーキンソン症状としては非典型的なのため診断を見直し，1カ月かけてL-DOPA 製剤を漸減しながら，クェチアピンフマル酸塩25mgを1日2~3回頓服で対応していた. パーキンソン症状（四肢硬直，振戦）は悪化せず，精神症状は徐々に改善したため，クェチ ァピンフマル酸塩を25mg/日まで減量できた.また日中のリハビリテ一ションが円滑に進 むようになった.