半身のしびれ

摘要

患者が半身のしびれを主訴に受診した場合，それが感覚異常を意味しているのか，半身の軽度の麻 痺を意味しているのか，あるいは片側のパーキンソニズムなどの運動障害を意味しているのかを病歴 や診察で明らかにする.これらのチェックには軽度の麻痺の横出を行う上肢や下肢のバレ一徴候や下肢のMingazzini徴候，小脳系のみならず錐体路ゃ錐体外路に異常がある場合にも，異常を呈する回 内回外試験が'有用である.しびれが異常感覚を指している場合は，その分布によって，頭蓋内病変か脊椎?脊髄病変かを推定 しなければならない.温痛触貲ゃ深部感覚の異常のない，半身のしびれ感のみの脳卒中があることは 念頭に置いておく必要がある.高血圧，糖尿病，脂質異常症，心房細動，喫煙などの心血管危険因子 の存在，頭痛や頸部痛の合倂，ほかの神絰症候のチェックが必要である.しびれの分布によってX線 写真,X線CT, MRI,電気生理検査，髄液検査などが必要な場合があり，専門医との連携が必要で ある.