糖尿病初診患者への対応

摘要

糖尿病．あるいは境界型と初めて診断した医師の責任はきわめて大きい．合併症については．必ず診断時に話しておく必要がある．2型糖尿病は突然発症するわけではなく，10数年にわたり徐々に血糖値の上昇が見られることが多い．資料があれば持参してもらい，現在までの血糖値，HbA_(1c)低血圧，脂質，体重，生活習慣などの推移を示し，どのような生活習慣が糖尿病発症の引き金になったかを，患者自身に気づかせることが，その後の生活習慣改善に有用である．初診～再診時に①現在の診断名，②インスリン分泌動態．インスリン抵抗性の有無の判定を行い，糖尿病であれば③1型，2型の鑑別，④膵臓癌のチェック．⑤現時点での合併症のチェックを行い，患者にわかりやすく説明する．患者の生活習慣の問題点を知っておくことはきわめて重要で，そのなかから，すぐにでも取り組めそうなことを患者自身が見つけられるようサポートする．治療の中断が最も危険なことを話し，再診日割こは，改善できた点は無論，受診してくれたことを褒めるようにする．