早期退院に対する漢方治療の寄与外科治療後の合併症のため退院が遷延した症例に漢方薬が奏功した3例

摘要

現代医療においては手術療法や強力な抗癌剤療法などの進歩により重症例の治療が増加し長期生存も可能となつてきた。一方、国の方針として、重症軽症を問わず入院、特に病院においては病床稼働率の改善や早期退院による診療報酬の利益誘導ある。退院促進は病院運営会議においても問題になる程の病院経営における最重大関心事である。また、早期に自宅に戻りたいと考えている患者にとっても、入院理由となった疾病の治療が終了したにもかかわらず、何らかの理由で退院が延長されることは肉体的にも精神的にも負担となる。主治医の努力にもかかわらず、入院期間が想定されるよりも延長し、退院を阻害する症状が西洋薬などの治療で解決できなかった症例において、漢方薬の投与で簡単に管理可能となり、通院治療となった症例を数例経験した。