開腹膿瘍ドレナージにより救命しえたアメーバ性肝膿瘍の1例

摘要

赤痢アメーバ症は1980年代以降都市部を中心に急激に増加し，それに伴いアメーバ性肝膿瘍も増加している1）．今回，筆者らはアメーバ性肝膿瘍に対し経皮的膿瘍ドレナージ（以下，PTAD）を施行した後破裂をきたした1例を経験したので報告する．1996年に日本に入国し，以後国内で就労していた．1999年11月26日全身倦怠感，高熱，右季肋部痛が出現したため近医を受診し，腹部超音波検査の結果肝膿瘍と診断され，12月2日当院を紹介，入院となった．