早期診断にヘリカルCTが有用であった急性上腸間膜動脈塞栓症の1例

摘要

急性上腸間膜動脈閉塞症は早期に血流を再開しないと大量腸切除や試験開腹となる予後不良の疾患である．今回，筆者らはヘリカルCTによる早期診断により，血行再建のみで救命しえた急性上腸間膜動脈塞栓症の1例を経験したので報告する．患者：78歳，男性.主訴：腹部全体の激痛.既往歴：75歳時多発性脳梗塞，76歳時から心房細動で内服治療中．現病歴：2001年2月9日午前9時頃から突然腹痛が出現，改善しないため救急車で当院に搬送され，入院となった．