組織型プラスミノゲン活性ィ匕因子（t-PA)は血小板由来増殖因子(PDGF)-CCを介して脳梗塞進展を促進するのか抑制するのか？

摘要

虚血性脳梗塞治療に用いられる組織プラスミノゲン活性化因子（t-PA)による血栓溶解治療は，出血の危険性が懸念されることや発症後3時間以内に投与を開始する必要性があることで，大きく使用が制限されている.t-PAは，分子量約65 kDのリジン結合部位を持っセリンプロテアーゼで生体内線溶因子の一つであり， プラスミンを活性化してフィプリン血栓を分解する働き以外にも，マトリックスメタ口プロテア一ゼフアミリー（MMPs)(l)，低密度リポタンパク関連タンパク質（LRP)(2)， N-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体(3)， ニコチン受容体を介した作用(4)など中枢神経系における新しい機能について研究されている.