モーニングワークショップ2「不妊カウンセラー」1）看護教育における不妊看護の教育と研究

摘要

現在約29万人の人々が不妊治療を受けていると推定される中で，近年の生殖医療技術の発展が，必ずしも彼らに福音をもたらしているとは限らないのが悲しい現実です．妊娠できないこと（子どもができないこと）或いは不妊治療を受けていることによって，女性或いは男性は，個々の心理社会的側面のみならず，カップルの関係においても様々な影響を受けていることが，これまでの研究から明らかにされてきました．さらに，「健やか親子21」や「障害を通じた女性の健康支援事業」に掲げる相談体制の整備等の社会的ニーズもあります．そこで，看護者が，不妊治療を受けているカップルに限らず不妊という問題を抱えているカップルに対するケア，その中でも特にカウンセリング的手法を用いたケアを提供できるようになるためには，看護教育はどのような役割を担っていったらよいのでしょうか．加えて，カップルへのケア向上を目指し，どのように研究を進めていったらよいのかについても，皆様と一緒に考えてみたいと思います．