人工脳硬膜の安全性評価に関する研究（第3報）：人工硬膜（直径8mm）埋め込みラットに対する行動学試験

摘要

脳外科用の吸収性人工硬膜はポリ（乳酸－グリコール酸－カブロノラクトン等）共重合体（PLGC）で構成され、触媒のオクテル酸スズ（OT）、ジブチルスズ（DBT）が残存する。 我々は安全性評価のため、ラットの頭蓋をくり抜き頭蓋内に膜を埋め込み1月後に行動学試験を行って評価してきた。くり抜き直径として過去5mm、1cmを検討したが、5mmの場合、骨の再生が速く膜が骨に埋まり、1cmの場合には脳の損傷が大きかった。今回、くり抜き直径を8mmとし、対照群（手術のみ）、PLGC膜群、高濃度OT含有PLGC膜群、高濃度DBT含有PLGC膜群に行動学試験を行い評価した。雄ラットを対照群、PLGC膜群（Sn＜20ppm）、高濃度OT含有PLGC膜群（Sn＝200ppm）、高濃度DBT含有PLGC膜群（Sn＝100ppm）の4群に分けた（n＝10/群）。