心臓移植における認定医制度

摘要

2003年から4年間にわたり日本移植学会専門医制度委員会(委員長：落合武徳先生）は，移植専門医およぴ専門医制度について真摯に検討した。最終的にこの委員会ではレベルの高い専門医制度を最初から策定するのは不可能と判断し，臓器移植を専攻する若い医師ゃ研究者を幅広く包括して，臓器移植の医学 医療面のみでなく，臓器移植の倫理,臓器移植のカルチャーを身につけることを目的にした移植認定医は必要であるという結論に達した。委員会は認定医制度を発足させた後に，二階建てとして高度な技術と質を担保する専門医制度を策定する方針のもとに，(移植）認定医制度案を策定し，2007年5月29日の理事会において賛成16名反対2名で承認された。この理事会では心臓領域から選出された理事2名は賛成票を投じたが， 最終的にはこの認定医制度は実行されなかった。