胸腺腫再発?播種?転移に対する再手術

摘要

胸腺腫における手術適応は，肺癌や胸腺癌に対 する手術適応とは異なり，完全切除術のみならず腫瘍減量術(debulking surgery)といつ適応が 成り立つと考えられている疾患であるこれ は，胸腺腫の生物学的腫瘍性格によるものであ る.胸腺腫はリンパ行性および血行性転移をきた す場合は比較的少なく ，局所進展により腕頭静 脈，心膜，縦隔胸膜への浸潤が生じやすい.正岡 分類のIE期が，完全切除が可能か否かの分かれ目 となる.縦隔胸膜浸潤のみの場合や，肺への浸潤 のみの場合は，浸潤部の合併切除により完全切除 が可能となる場合が多いが，胸膜播種がある場合 には，完全切除はむずかしくなる.今回は，初回手術時に外科的に完全切除がなさ れ，後に局所再発，播種，転移をきたした症例に 対する再手術を中心に述べる.