早期胆囊癌に対する腹腔鏡下手術 一腹腔鏡下胆囊床切除術一

摘要

胆囊癌の外科治療に際しては，進展様式?深達 度に応じた術式選択が求められる。早期胆囊癌に 対しては胆囊全層切除術と1群リンパ節郭清が標 準術式とされているが，術前の正確な深達度 診断が困難な場合もしばしば経験される。われわれは，術前にCT， US, EUSなどに よつて早期胆囊癌と診断された症例に対する基本 方針として胆囊管断端および1群リンパ節転移陰 性を術中迅速組織診で確認すれば肝臓切離範囲は Hinf (— ）をえる範囲としており,これらの条 件をすベてクリアできるならば腹腔鏡下で切除可 能であると考えている（図1)。つまり，術前診 断で早期胆囊癌と診断した症例に対しては胆囊管 断端および1群リンパ節の術中迅速組織診を併用 した腹腔鏡下胆囊床切除術を適応し，本稿ではそ の手術手技について述べる。