再生可能エネルギー事情－固定価格買取制度（FIT）導入の概要

摘要

二〇二一年七月から固定価格買取制度（FIT）が導入され、日本の新エネルギーの導入量が増大するという大きな変化が生じた。特に早期の導入が可能であった太陽光発電の伸びが大きかった。ただし、太陽パネルの設置が可能な遊休地などには、すでに設置が進んできており、残された適地は減ってきている。その上に買取価格が引き下げられてきたために、太陽光の導入のペースは、現在では大幅に低下している。二〇一六年現在、太陽光にとって代わって注目されているのがバイオマス発電である。ただし、今回の連載の中で検討していくように、バイオマスの利用拡大には様々な問題があり、計画中のプロジェクトのうち、順調に建設が進んで運転に移行し、かつ利益を確保できる件数は大幅に絞られてしまうと予測されている。二〇二一年七月のFITの導入から四年近くを経た中で得られたものは何か、課題は何かを見ていくこととする。