わが国における小水力発電の現状と課題：小水力発電は日本を救うのか

摘要

かつて原子力発電は、静かな漁村を原子力村という形で、地域の姿を大きく変えていった。電源立地地域は電力会社を通してうるおい豊かになった。一方、大型電源とは対照的な位置にある小水力発電は、衰退する農山村に何をもたらすのか。小水力発電は、「新しい事業」という形で農山村の人々に農業経営の一助として寄与する力を持っている。しかも自らが経営に参画でき、かつ数十年にわたり持続可能な経営資源となりうるのである。