OFDM無線アクセスを用いるEvolved UTRAにおけるマルチ信号帯域に適した同期チャネル構成に基づくセルサーチ時間特性評価

摘要

本稿では，1.4MHzから20MHzのマルチ信号帯域幅を用いるEvolved UTRA下りリンクOFDM無線アクセスにおいて，高速なセルサーチを実現するための同期チャネル(SCH: Synchronization Channel)構成およびセルサーチ法について報告する．提案するSCH構成の原理は，全周波数帯域の中心サブキャリアの信号を200-kHzラスタ上に配置し，信号帯域幅によらず，SCHおよび報知チャネル(BCH: Broadcast Channel)は1.4MHz以下の固定帯域幅で送信される．さらに，この基本構成に基づき，現在3GPP RAN WG1 (Radio Access Network Working Group 1)で議論が行われているSCH構成についても概説する．19セル3セクタ構成のマルチセル環境を想定したシステムレベルシミュレーション評価により，基地局の信号帯域幅に関わらず，1.08MHzの固定帯域幅でSCHを送信する方法が高速セルサーチを実現する観点からも有効であること，および，Evolved UTRAにおけるSCH構成に基づくセルサーチ法が，基地局間距離が10km以内の条件において，高速なセルサーチ時間特性（95％の場所率で，初期セルサーチでは100msec以下，周辺セルサーチでは150msec以下のセルサーチ時間）を実現できることを明らかにする．