2.45GHzと5.8GHz帯における太陽発電衛星(SPS)と地上無線/固定衛星業務との電波干渉評価の一検討

摘要

将来のエネルギー危機の解決法の一方法として太陽発電衛星(SFS)が期待されているが、SPSを静止衛星軌道(GSO)に打ち上げた場合、GSOには複数の固定衛星業務(FSS)衛星が運用しており、この間の電波干渉が問題となるものと考えられる。 NASAで提案されているSPS方式は、衛星で発電した電力を、送信周波数: 2.45GHz、送信電力: 6.72GW(98.3dBW)、送信アンテナ寸法: 1km×1kmの仕様で地上に伝送するものである。この際に、固定衛業務(FSS) および固定無線業務(FS)、無線LAN,電波天文などに干渉を与える可能性がある。 各種問題解決のために、送信周波数を5.8GHzにする可能性も有り、両周波数の電波干渉の面から比較が必要である。 本稿では、基本波を2.45GHz/5.8GHzとした時、他の乗務に与える干渉量を評価するために、高調波のFSS下り回線への干渉、基本波の無線LANへの干渉を検討し、両者の実現性に対する比較を行っている。 検討の結果、基本波の無線LANへの干渉、第2高調波(11.6GHz) での干渉条件が厳しく、共存のための各種の干渉軽減法を考察している。