水熱処理によるごみ焼却灰のゼオライトA及びゼオライトPへの転化

摘要

地球の浄化能力をはるかに超えた大量生産，大量消費，大量廃棄により地球環境は悪化の一途を辿っている。 悪化した環境の改善を目指した循環型社会を構築するうえで，廃棄物の処理手法の開発，すなわちゼロ·エミッションは重要な課題である。 廃棄物は，工場などから排出さわる産業廃棄物と家庭から排出される一般廃棄物とに大別される。 家庭ごみの大半は公営の清掃工場で焼却処理され，それにより大量の焼却灰が排出されている。 焼却灰の内，煙道に付着するフライアッシュには，鉛やカドミウム等の重金属及びダイオキシン等の有害物質が含まわているため，わが国では特別管理一般廃棄物として扱われ，溶融固化やセメント固化等の中間処理を行うことが義務付けられている。しかし増加の一途を辿っている中間処理物の埋め立てや保管は，深刻な社会問題となっており，各自治体ほ埋め立て場所の確保等に大変苦労している。このような問題を解決するた動こも，ごみ焼却灰の有効利用技術の開発が望まれる。