吸収式冷温水機の周辺設備設計マニュアル(2)：既設機器を活用した大温度差空調システムの展開－大温度差吸収式冷温水機による空調設備の改善事例

摘要

「冷温水を用いる中央熱源方式の空調システムにおいては、冷温水の往還温度差を大きくすることがシステム効率の向上に有効である」との考えから、当社は1986年より「大温度差空調システム」の研究を実施している。 本事例は、ガス吸収式冷温水機を用いた既設空調システムが、「老朽化」·「IT導入による内部発熱増加」·「居ながら改修」の問題に対する一つの回答として、既設のガス吸収式冷温水機を用いたシステムを踏襲して大温度差吸収式冷温水機を導入したものである。大温度差空調システムは、大温度差対応型の熱源、2次側空調機器と大温度差比例制御弁で構成される。 今回の改修では、大温度差対応型の熱源を先行して設置した。 2次側空調機器は既設を利用しているためシステムは完結していないが、熱源導入結果とあわせ、大温度差空調システムを紹介する。