神経回路網モデルを用いた求心性神経インパルス列波形データからのユニット分離の試み

摘要

各種の電極を用いて標本から神経インパルス列データを細胞外記録する時に、波形の振幅や持続時間が異なる複数の神経インパルス波形が混在する場合がある。これらは相異なるユニットからの記録と考えられるが、システム解析のためには、それらを個々の類似の波形特徴を有するグループに分離し、新たな時系列データとして再構築する必要がある。 本報告では①複数の電極によるマルチチャネルの求心性神経インパルス列データの記録法、②汎用PCと高速同時サンプリングAD 変換器によるデータ取り込みシステム、③神経インパルス波形の抽出と特徴パラメータの算出方法、④神経インパルス波形の二次元振幅ヒストグラムによるグループ分離と時系列再構築、⑤波形特徴データを入力信号とする神経回路網モデルによる各グループの神経インパルス列の分離への試みについて述べる。