TiAl金属間化合物の高温酸化に及ぼすAlの溶融塩電析処理による効果

摘要

AlF_3含むNaCl－KCl溶融塩中，定電位カソード分極によりTiAl上にAlを電析させ，電析層を生成し，その耐酸化性を調べた。 得られた結果は以下のとおりである。 （1）電着物の質量は，分極電位の低下に伴うカソード電気量の増加とともに増加した。 また，電着反応の電流効率は高かった。（2）－1．3～－1．6Vで形成された電析物は層状の形態を呈し，その構成物はTiAl_3であった。 これらの電析物はTiAlを均一に被覆し，TiAlとの密着性は良好であった。 分極電位の低下は電析層の厚さを増大させた。 （3）電析層を被覆したTiAlを1273K，大気中で酸化した結果，酸化増量は極めて小さかった。 この場合, 電析層表面には保護的なα-Al_2O_3皮膜の形成が認められた。