梁フランジ幅厚比が梁の破壊性状に与える影響

摘要

梁フランジの幅厚比の変化が梁端の破壊状況に与える影響を，フランジ幅を変化させた場合とタフランジ板厚を変化させた場合の実験および弾塑性有限要素解析を行って調べた結見以下のことが指摘できる.（1）梁フランジ幅を変化させた実験（実験1）では，梁フランジ幅厚比b/t_f=8．3の略梁フランジの破断と局部座屈の両方の破壊モードが見られき変形能力が最も高かった.それより幅厚比が大きい場合をこは，局部座屈により終局状態に達し，パ、さい場合には梁フランジが破断した.（2）染フランジ厚を変化させた実験（実験2）では，すべての試験体で梁フランジが破断し夕晴厚比が大きいほど，概ね変形能力が低くなる傾向があった.（3）実験の破壊モードと，数値解析の延性亀裂発生時期および局部座屈発生時期から推定される破壊モードは対応している.（4）延性亀裂の発生時期と梁フランジ幅厚比の関係はタ実験シリーズにより逆の傾向を示しており，梁フランジ幅を変化させた場合には幅厚比が小さいほど,梁フランジ厚を変化させた場合は幅厚比が大きいぼど早くなった.（5）スカラップ形状および使用した材料が同じならば，スカラップ底の要素が延性亀裂発生条件に達するときの染フランジの負担しているモーメントを梁フランジの全塑性モーメントで除した値鞘穐はほぼ等しい.（6）この現象には，梁の断面形状が影響しており,梁ウェブの負担するモーメントが減少した分を∴染フランジが負担するため,梁全体の全塑性モーメントに占める梁フランジの全塑性モーメントの割合_fM_p/M_pが少ないぼど，梁フランジの応力状態は厳しくなり，歪が増大し，延性亀裂発生時期が早くなる.今後,本論文で明らかとなった梁の断面プロポーションが延性亀裂発生時期および耐力低下時期に与える影響を用いてより広い範囲で適応可能な破壊モードの判定方法を提案する予定である.