金属シリコンからのボロン除去プロセスの開発 -SPSでの利用が期待されるシリコン系太陽電池の原料製造プロセス-

摘要

SPS（Space solar Power Station／Satellite）は宇宙空間に超大型の太陽光発電設備を設置して，その利用により得られる直流電力をマイクロ波に変換·送電し，地上での利用に供するという壮大なプロジュクトである。 SPSプロジェクトは巨大な装置の宇宙空間への設置技術や，直流電力のマイクロ波への変換，送電に関わるロスとコストの削減，地上での電気への再変換など，さまざまな要素技術の集大成として実現が進められる側面があるといえる。このような要素技術の一つとして宇宙空間に設置されるべき太陽電池の安価で大規模な生産技術の構築があげられる。 例えば，1 GWクラスの発電規模を持つ太陽電池を宇宙空間に設置するとすれば，2002年に世界に提供された全ての太陽電池の発電規模，500 MW程度の2倍にあたる量の太陽電池モジュールを生産する必要に迫られる。 ところが，その原料素材である高純度シリコンの供給すら困難視されている現状にあり，未だSPSクラスの大規模生産が可能といえる状況に無い。