太陽光発電システムコストの学習曲線による分析

摘要

これまで多くの場合，これらの技術のコスト予測は，その技術の研究開発をしている専門家によって行われ，将来の時期と予想コストが発表されてきた．太陽光発電システムの場合には，横軸に時間を，縦軸にピークWあたりコストをとるとき，右下がりの曲線によって示されている．このような従来の技術予測は，その分野の専門家による推測であり，定量的な根拠は示されていない，またコスト低下の説明変数は時間軸であり，時間がたてば自動的にそうなるという印象を与えるが，コスト低下を引き起こす最大の要因は研究開発であり，研究開発の重要性を示すことが多かった．このような予測モデルとは異なり，過去のデータを用いた実証的なモデルとして，学習曲線を利用して将来のコストを検討することが行われている．本報告では，学習曲線によって太陽光発電システムのコストを検討する既存の研究を振り返り，日本の最新のデータを利用して学習曲線を分析する試みを行っている．