任意地点の日射スペクトルの推定のための全天日射強度を用いた簡易モデル

摘要

異なる分光感度を有する太陽電池を積層した多接合型の太陽電池の出力計算や電流整合を行なう上では，入射する日射スペクトルを把握することが重要である。また，建築系分野においても，建物に対する太陽エネルギー収支を考慮するためには任意の地点·時刻の日射スペクトルを知ることが重要である。これまでに，NEDOの事業により日射スペクトルデータベースの整備が行われ，2010年に公開された日射スペクトルデータベースVER-1には全国各地の4地点で観測された2年分のデータが収録されている。また，2014年に発表された日射スペクトルデータベースVER-2には全国各地の5地点で観測された1年分以上のデータが収録されている。このように日射スペクトルの観測網は充実してきているが，あらゆる地点の日射スペクトルを実測のみで網羅することは現実的ではない。