静電スプレー法による三次元曲面太陽電池の製造

摘要

近年，微弱な電力でもセンサーやネットワーク端末等の様々な電子部品を駆動することが可能になり，外部電源を必要とせずに発電が可能な自立電源との組み合わせによって電子機器のメンテナンスフリー化が期待されている．特に急速に進化している薄膜太陽電池は，室内に入り込む太陽光や照明など照度の低い光でも発電できることから自立型の電源としての活用が考えられており，低コストで意匠性にも優れた太陽電池の開発が求められている．太陽電池の性能は近年著しい進歩を遂げているため，小面積で発電効率に優れた太陽電池は，据え置き型の電子機器や卓上充電器などに搭載され補助電源として利用されている．また最近はガラス壁面に設置できるシースルーフィルム型の太陽電池も開発されており，建築物のデザイン性を損なうことなく敷設が可能である．これらは，エネルギーハーベスティングの観点からも注目されており，屋根や外壁に設置されるBIPV（Building Integrated Photovoltaics／建材一体型太陽光発電）やGV（Green Vehicle／環境に優しい乗り物）などにも適した様々な太陽電池の開発が企業や研究機関で進められている．