熱電発電システムにおける開放電圧を用いた最大出力点の探索法

摘要

近年，熱電素子は豊富な未利用熱エネルギーを電力エネルギー変換できる機器として，エネルギーの有効利用の観点から利用が進み，温泉の熱を利用した例や自動車廃熱を利用した例，工場廃熱を利用した例，太陽熱を利用した例等がある．一般に複数個の熱電素子を直列接続した熱電発電モジュール（Thermoelectric module：TEM）が用いられる．この熱電発電モジュールを直並列に接続して熱電発電システムが構築される．一方，同様に構築される発電システムに太陽光発電システムがある．太陽光発電システムには発電能力を活かすために最大出力追尾（Maximum Power Point Tracking：MPPT）制御回路が設置されることが多い．熱電発電システムも設備利用率向上のために同様の回路が必要である．これまでに提案された熱電発電システムのMPPT制御法には，山登り法，発電システムの開放電圧の1／2に運転電圧を追従させる方法，負荷インピーダンスを検出する方法，モジュール温度を測定して運転状態を決める方法がある．