原点にかえろう－太陽光発電とはなにか？

摘要

昨年3月11日に発生した東日本大震災とそれにともなう福島第一原子力発電所の深刻な事故により，多くの国民が，原子力発電技術の「安全性」が神話にすぎなかったことを，身をもって経験した．そして，これとは対照的に太陽光発電への期待がますます高まっている．しかし，この太陽光発電に「神話」の萌芽はないだろうか．いま，このような時期にこそ「太陽光発電技術とはなにか？」と自らに問いかけ，常識とされていることに疑問の目を向けてみるべきではないだろうか．そして，もしそこに「神話」の芽があるのなら早急に摘み取らねばならない．本特集の冒頭にふさわしい内容でないことは筆者自身も自覚しているが，本稿ではあえて太陽光発電に関するいくつかの疑問を提示する．無責任ではあるが，それぞれの疑問に対する明確な回答は筆者も持ちあわせていない．本稿の読者がそれぞれの立場で考え，議論し，納得できる回答を導き出してほしいと願っている．