世界エネルギー戦略：太陽熱発電システムの最近の開発状況

摘要

日本において高温の太陽熱（300℃以上）を利用して発電を行う太陽熱発電技術の研究，開発が本格的に始まったのは第一次オイルショック以降の1974 年である．「サンシャイン計画」のもとで研究·開発プロジェクトがスタートし，1981年には香川県仁尾町にパイロットプラントが建設された．その後のデータ解析の結果，太陽熱発電システムは日射条件，経済性の観点から日本では適さないと最終評価され，1986年に開発を終了した．一方，アメリカではSEGSプラントやSolar One，Solar Twoなどが建設され，SEGSプラントは現在も稼動中である．また，ヨーロッパでも実用化に向けた基礎研究が継続され，ギリシャやスペインなどで太陽熱発電プラントの建設が進められている．このように，太陽熱発電の開発が諸外国で精力的に進められており，以下に最近の開発状況を紹介する．