ルームエアコンの差別化技術

摘要

近年のルームエアコン業界では，地球環境保護への取り組み強化が求められる中，2004年度までにトップランナー方式による省エネルギー法基準値のクリアが義務付けられ，省エネルギー化が急速に進められてきた。 今後も，省エネルギー競争激化が予想される。 一方，市場要求は，このような背景の中，省エネルギーは当たり前となり，代わって，冷え過ぎない·暖め過ぎないなどの快適性，集塵（しゅうじん）·脱臭などの空気清浄機能やエアコン内部の汚れを防止する清潔機能などの高付加価値機能が重視されてきている。 本稿では，ルームエアコン差別化技術として，業界に先駆けて霧ヶ峰シリーズに搭載している省エネルギー技術，除湿制御技術，空気清浄技術を中心に紹介する。 （1）省エネルギー冷媒回路の圧力損失を大幅に低減した"気液分離冷媒回路"，床温度センサによって省エネルギー運転を行う"体感コントロール運転"（2）除湿室温を下げることなく除湿する方式として最近の製品に採用されている再熱除湿の問題点である冷媒流動音と，除湿制御範囲の狭さを独自の静音化技術によって改善した"スーパーサイレンサ"と"インバーター再熱除湿"（3）空気清浄機能吸い込み口の全面カバーとプラズマ脱臭の組合せにより，吸い込む空気をきれいにするだけでなくエアコン内部も汚さない"イオンプラズマシールド"