携帯電話では,信号を0.6W程度の送信電力まで増幅する電力増幅器の消費電力の削減が重要である。 また通信方式は,サービスを提供しているキャリアによって異なるために,そのシステムに合わせた電力増幅器が要求される。 例えば,国内では,PDC(Personal Digital Cellular)方式とCDMA(Code Division Multiple Access)方式がある。 さらに海外では,GSM(Global System for Mobile Communication)方式やAMPS(Advanced Mobile Phone System) 方式など多岐にわたる。 下記の図は,各システム対応で三菱電機が提供している送信電力増幅器の開発状況を示したものである。 本稿では,CDMA方式の電力増幅器の開発について述ベる。 従来のHEMT(High Electron Mobility Transistor)構造からHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)構造に素子を変更することで,単一電源動作を実現し,電話機基坂上に負電圧電源を不要にした。 さらに,電力増幅器の外形も小型化している。 これらにより,送信回路部の小型化を実現し,電話機の小型化や多機能化に役立つ。 今回開発した電力増幅モジュールは,従来のHEMTによる製品と比較し実装面積を35%小型化し,小出力電力時の電力効率を20%向上させている。 さらに,HBTの増幅器の受信帯域を改善するために,新規の回路構成を適用し,HEMTと同等の低雑音特性を実現した。
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