携帯電話向け画像処理技術とその応用

摘要

携帯電話機は，ここ数年で表示デバイスがモノクロからカラー化へと一気に進み，表現能力が大きく向上してきた。 これにより，従来の文字系中心のマンマシンインタフェースから画像系中心のマンマシンインタフェースへとウエートがシフトするとともに，画像関係のアプリケーションや周辺機能が次々と搭載されつつある。 その一つがカメラ機能である。 一児先に登場したデジタルスチルカメラが，画像をデジタル化して容易に扱えることから，パソコンを核として，急速に市場を広げてきた。このデジタルスチルカメラとしての機能が，携帯電話機にも取り込まれつつある。 しかし，携帯電話機は，普及層の広さ，携帯性の高さなどデジタルスチルカメラとは少し異なった面を持っており，アミューズメント性や操作性面への考慮が重要となる。 つまり，電話機でありながらカメラ機能を備え，さらにはその応用機能まで必要となる。 そこで，これらのニーズに対応するため，今後携帯電話機に要求されるカメラ機能やカメラを用いたアプリケーションの実現に向け有効と考える幾つかの画像処理技術を紹介する。