低圧遮断器の現状と展望

摘要

1933年に我が国で初めて三菱電機が配線用遮断器の生産を開始してから約70年が経過しようとしている。 その間，市場環境は変化し，市場ニーズも大きく変化し多様化してきた。 これらのニーズにこたえるために，製品も，多様化·高容量化·シリーズ化·標準化·電子化·インテリジェント化·ネットワーク化など変遷してきており，当社は幅広いラインアップで市場に対応してきた。ここ数年の動きとして，我が国は，WTOが定めたTBT 協定を批准し，規制緩和の具体策の一つとして，電気設備においてもJIS規格の国際規格整合化を推進している。 IEC規格に対応した"新JIS規格"が整備されつつあり，電気設備技術基準の改正でIEC60364の建築電気設備の適用も可能になった。 さらに，諸外国においても，我が国と同様に国際規格整合化が進展している。 また近年では，IT関連企業に代表されるようにグローバル経営が進展し各国の規格が必す（須）となり，低圧遮断器の分野では国内海外ともにますます国際規格が重要になってきている。 一方，地球温暖化防止，地球環境保護に対するニーズである省エネルギー，環境設計も重要項目である。 このように，低圧遮断器に対し，国際化への対応，省エネルギー，環境のニーズが強まっている。 このようなニーズに対応するために，新形ノーヒューズ遮断器·漏電遮断器"WSシリーズ"を発売した。本稿では，市場動向，規制·規格の変化，技術動向，今後の展望について述べる。