展伸マグネシウム合金AZ61の高サイクル疲労強度特性に及ぼす応力比の影響

摘要

実用金属中で最軽量で比強度が高くリサイクル性などに優れたマグネシウム（Mg）合金は，地球温暖化防止や環境負荷物質の低減，機器の高効率化，燃費向上などの立場から航空機，鉄道車両，自動車などの輸送用機器への適用が進められてきそいる．従来，これらの構造部材に対して成型方法が容易な鋳造材が用いられてきた．しかし，鋳造材は鋳巣などのマクロな欠陥が機械強度特性，とりわけ疲労強度特性に大きな影響を与えることが問題視されてきた．近年のMg合金に対する展伸技術の発展に伴い，内部欠陥が少なく耐久性に優れた展伸Mg合金の構造部材の適用が検討されている．展伸Mg会金の構造部材への適用·使用に際して疲労信頼性の保証要求は重要な課題であり，これまでに高サイクル疲労強度特性に関する活発な研究が行われている．