长崎農林水産統計に基づく長崎県におけるひき縄漁業によるクロマグロ漁獲量の推定

摘要

クロマグロ（Thunnus orientalis）は我が国にとって最も重要な水産資源の一つである．本種は肺化後，半年もすると，ひき縄漁業により漁獲される．なかでも長崎県は，本種を対象としたひき縄漁業が盛んで，その年間漁獲量は多いときには2，000～3，000トンに及ぶといわれ，我が国ひき縄漁業によるクロマグロ漁獲量の約半分に相当する．ひき縄漁業で漁獲される本種は主に0，1歳魚であり，Yamada et al.（2006）は同県のひき縄漁業が盛んないくつかの港での水揚伝票を用いて本種0才魚の資源量指数を推定した．しかしながら，VPA（Virtual Population Analysis）等により本種の資源量を推定するには，一部でなく全体の漁法別漁獲量を得る必要があり，さらに2004年に我が国を含む中西部太平洋に高度回遊性魚類の資源管理を目的とした国際条約が発効し，本種の資源管理のためにも総漁獲量を知っておく必要がある．