残留農薬の多成分高感度スクリーニング法について残留農薬検査キットーアグリケム~(TM)－

摘要

昨今の輸入農作物の激増の中で，BSE（牛海綿状脳症）牛の発生，輸入農産物の残留農薬問題，国内での無登録農薬使用や禁止された食品添加物の使用問題，さらには食品の偽装表示といった食の安全を揺るがす事件が相次いでおり，消費者の「食の安全」に対する不安が高まってきている。 このことを受けて，決められた基準値以内で使用してよい農薬を一覧表に載せ，その他の農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止するポジティブリスト制度が，2006年5月29日に施行された。 しかしながら，加工食品については，原材料の検査結果が準用されており，十分な検査体制とは言い難い。 現に，2007年末から2008年初頭にかけて発生した，中国製冷凍ギョーザ中に混入した有機リン系農薬成分「メタミドホス」による薬物中毒事件を防ぐことはできなかった。 以上のことから，加工食品や飲料など従来は比較的検査の少なかった食品に対しても検査体制の再構築が掲げられるようになった。