ネットの活用によるキクでのタバコガ楽の防除

摘要

奈良県では生駒郡平群町や葛城市、吉野都下市町などに、小ギクや輪ギクの産地がある。 主に露地栽培が行われており、異なる開花期の品種を組み合わせて5～12月まで出荷している。 キク栽培期間中には白さび病、アブラムシ類、アザミウマ類、ハダニ類、タバコガ類など多くの病害虫が発生する。 中でもタバコガ類による被害は、幼虫による茎項部の食害で（図－1）、輪ギクの場合は、摘芯後に食害された茎は出荷できない。小ギクでも生育中期以降の食害は草姿を乱し、商品性は大きく低下する。さらに蕾内部に小さな幼虫が食入したまま出荷してしまうケースもあり、市場評価にも影響するやっかいな害虫である。 奈良県では井村ら（2001）により発生消長と経過世代数が調査され、越冬世代成虫が5月中下旬に発生し、11月までの間、4～5世代の発生があることがわかっている。