施肥効率が高く環境負荷の小さい定量施与によるトマト水耕栽培の可能性

摘要

養液栽培では、培養液の各養分濃度の設定とその維持管理に注意が払われる。 しかし、培養液濃度が同じでも、例えば、培養液の循環頻度や流速を変えるだけで、養分吸収量は人きく変化する。培養液を所定の組成、濃度で維持管理する培養液管理、いわゆる濃度管理は、必ずしも一定量の養分吸収や果実生産を導くものではない。毒素やリンなどの養分は吸収量が一定量以上になると茎葉の成長や果実生産には利用されず、茎葉中に蓄積される。 一定水準の果実収量をあげるために必要な、過不足のない窒素やリンの吸収量を明らかにして、その量を与えることができれば、果実生産に結びつかず茎葉に蓄積する無駄な寿分吸収が減少し、しかも、養分の過剰吸収に原田する種々の生理障害の発生を軽減、垣1避する効果も期待できる。