百彩の森，全村森林公園の「諸塚」－ひとっくり60年，森の恵み享受する森の村－

摘要

宮崎県東臼杵郡諸塚村では1946年，第二次世界大戦の敗戦による混乱期に当時の村長藤井長治郎氏が「ひとっくり」を基本に教育立村，林業立村の基礎を固めた。 以来60年余，歴代の指導者と村民が一体となって森をより豊かにする努力を重ね，今日に至っている（表①，②）。 この間，観光立村には目もくれず，ただ森づくりに専念した。 しかし，現在では森は人類共通の財産というグローバルな考えが強くなり，諸塚村の美しい森を広く多くの人に知ってもらうため，全村森林公園化構想「百彩の森づくり」が進んでいる。 これは林業立村一筋で来た村づくりの意思を継承しながら，新たな森づくりを目指そうというものである。