肥育ステージごとの飼養管理第1回肥育予備期（導入-導入後1力月の腹作り期)

摘要

黒毛和種肥育牛は、一昔前までは、各地域において資質系や増体系などそれぞれ特色のある子牛が生産され、 地域ごとにそれらの牛に適合した肥育方法が確立されていました。しかし、現在では、増体系、資質系'ハー フ系など多種多様な血統の種雄牛が続々と登場し、全国各地^)子牛市場において様々なタイプの子牛が上場さ れ、肥育農家が同じタイプの子牛をそろえて導入することは困難となり、牛ごとに異なった素質を把握した上 でのきめ細かな肥育管理が必要となってきました。また、長引く不況により枝肉相場も低迷しており、販売価 格を上げるためには、枝肉等級やつくりなど評価の高い枝肉を作ることが重要となっています。そこで、肥育農家の方々が、評価の高い枝肉を作るための一助として、黒毛和種肥育牛における肥育期間を、①肥育予備期（導入-導入後1力月）、②肥育前期（11-13力月齢)、③肥育中期（14-19力月齢)、(3)肥育後 期（20-25力月齢)、⑤仕上げ期（26-31力月齢）の各ステージに分けてステージごとの飼養管理のポイン トについて解説します。