ジャガイモ萌芽茎を利用したジャガイモそうか病を引き起こす病原Streptomyces属菌の簡易検定法

摘要

ジャガイモそうか病は数種のStreptomyces spp.が病原菌として関与している代表的な土壌病害である。本病原菌を擢病塊茎の病斑部や発病土壌から分離しようとする場合，土壌中には多数の腐生性Streptomyces spp.が生息しているために，ジャガイモに病原性を有するStreptomyces属菌以外にも多数の同属菌が分離される。 したがって，分離された数多くのStreptomyces spp.の中から病原性を有する菌株を選別するには多大の苦労が必要となってくる。この場合にまず考えられるのは選択培地の利用であるが，この分野の研究は極めて少なく，MenziesらによるTCN培地およびConnらによるSTR培地の例がみられる程度である。 それでも，これらの培地だけでは選択性が劣るため，前者では血清学的な判定を組み合わせて，また，後者では病原性のマーカーとしての毒素生産能の検定を組み合わせて，それぞれ検出の向上が図られている。