油脂TBA試験紙を用いた牛肉脂質過酸化度の測定と脂質安定性の予測

摘要

牛肉の脂質週酸化度の測定と脂質安定性の予測における油脂TBA試験紙の利用の可能性について 検討した.牛肉ミンチ試料に対して.脂質過酸化度の異なる試料を準備するために3種の処理（処理1：貯 蔵なし，処理2 ： 41：で3日間貯蔵，処理3 ： 3CTCで1日間貯蔵）を行った.処理後に試料ホモジネ一卜を 調製し，脂質過酸化度を既存のTBARS測定法およびTBA試験紙の赤色度（a'値）で測定した.その結果， 処理1,2および3の試料から得られたTBARS値とTBA試験紙のa*値の間には有意（P< 0.001)な相 関（R2 = 0.869)が認められた.このことから，TBA試験紙は油脂だけでなく牛肉に対しても有効に利用で きると判断した.また，処理3のTBARS値およびa*値は,両者ともに処理2のTBARS値と有意(P く 0.001) な相関（R2 = 0.569および0.546)が認められた.これらの結果から，3CTCで1日間貯蔵した牛肉試料の TBARS値を用いて通常展示の消費期限である処理2の結果を予測することがある程度可能であり，同様の 結果が油脂TBA試験紙のa*値からも得られることが示された.