養豚農家の密閉縦型堆肥化施設および木材チップ脱臭施設からの環境負荷ガス発生

摘要

養豚農家で実稼働している密閉縦型堆肥化施設と後段の木材チップ脱臭施設からの環境負荷ガス発生量を調査した（2012年2月，10月）.密閉縦型堆肥化施設からの一酸化二窒素，メタン，アンモニア の排出係数は，平均で各々0.10% (g N20-N/g N), 0.06% (g CH4/g有機物),9.44% (g NH3-N/g N) であり，一酸化二窒素とメタンは，現行の曰本国インべン卜リ報告書の強制発酵の値と同等であった.脱臭 排気では一酸化二窒素が13%低減，メタンが71%低減したが，一酸化二窒素の減少は有意ではなく. メタ ンについては10月でのみ有意な減少であった.一方，脱臭資材のpHが高く，効果的なアンモニア除去が困 難であった.流入アンモニア濃度と装置への送風量の変動に配慮し，脱臭装置の適正負荷を超えない運転管 理が必要である.